世界の研磨材(生産量、生産能力の推移)
<2011/07/07更新>
世界の研磨材(abrasives)について、USGS(米地質調査所)発表の資料をもとに表とグラフにまとめました。世界に流通している研磨材の多くは、天然研磨材(ガーネット等)と人工研磨材(溶融アルミナ、炭化ケイ素等)に大別されます。
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「世界のアルミニウム」
■ 世界の工業用ガーネット(国別生産量の推移)
(単位・・・トン) | 1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 |
インド | 15,000 | 60,000 | 65,000 | 700,000 |
中国 | 15,000 | 25,000 | 29,000 | 470,000 |
オーストラリア | 30,000 | 125,000 | 155,000 | 150,000 |
アメリカ | 53,000 | 60,200 | 40,100 | 54,000 |
その他 | 17,000 | 20,300 | 34,900 | 36,000 |
合計(四捨五入) | 130,000 | 291,000 | 324,000 | 1,410,000 |
ガーネット(garnet)は石榴(ざくろ)石とも呼ばれ、火山岩などから産出されます。化学式はAl2O3.3FeO.3SiO2。ガラス光沢があり、成分の違いにより様々な色や透明度のものがあります。硬くて脆(もろ)い材質で、古くから研磨材として利用されてきました。また、1月の誕生石でもあるように、透明度が高く色が美しいガーネットは宝石としても利用されています。ガーネット以外の天然研磨材として、フリント(Flint、Sio2)やエメリー(emery、金剛砂、Al2O3.Fe2O4)などがあります。
■ 世界の溶融アルミナ(国別生産能力の推移)
(単位・・・トン) | 1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 |
中国 | 400,000 | 460.000 | 700,000 | 700,000 |
ドイツ | 150,000 | 80,000 | 80,000 | 80,000 |
アメリカ・カナダ | 220,000 | 160,000 | 60,400 | 60,400 |
オーストリア | 60,000 | 60,000 | 60,000 | 60,000 |
ブラジル | 100,000 | 50.000 | 50,000 | 50,000 |
オーストラリア | 100,000 | 50.000 | 50,000 | 50,000 |
フランス | 45,000 | 40.000 | 40,000 | 40,000 |
インド | 20,000 | 40.000 | 40,000 | 40,000 |
日本 | 55,000 | 50.000 | 25,000 | 25,000 |
その他 | 150,000 | 80,000 | 80,000 | 80,000 |
合計(四捨五入) | 1,300,000 | 1,070,000 | 1,190,000 | 1,190,000 |
ボーキサイトなどの原料をアーク炉で溶融するとアルミナ(Al2O3、融点2015℃)が得られ、固化したものを粉砕して整粒すると研磨材になります。含有する不純物が少ないほど白くなります。最近では、化学合成によってアルミナ結晶を得る方法が開発されています。
■ 世界のシリコンカーバイド(炭化ケイ素)(国別生産能力の推移)
(単位・・・トン) | 1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 |
中国 | 250,000 | 455.000 | 455,000 | 450,000 |
ノルウェー | 80,000 | 80,000 | 80,000 | 80,000 |
日本 | 90,000 | 60,000 | 60,000 | 60,000 |
メキシコ | 25,000 | 30,000 | 45,000 | 45,000 |
ブラジル | 43,000 | 43.000 | 43,000 | 43,000 |
アメリカ・カナダ | 100,000 | 85.000 | 42,600 | 42,600 |
ドイツ | 36,000 | 36.000 | 36,000 | 36,000 |
ベネズエラ | 20,000 | 40.000 | 30,000 | 30,000 |
フランス | 16,000 | 16.000 | 16,000 | 16,000 |
インド | 13,000 | 5.000 | 5,000 | 5,000 |
アルゼンチン | 6,000 | 5.000 | 5,000 | 5,000 |
その他 | 250,000 | 190,000 | 190,000 | 190,000 |
合計(四捨五入) | 930,000 | 1,050,000 | 1,010,000 | 1,010,000 |
シリコンカーバイド(炭化ケイ素、SiC)は米国の化学者アチソン(Edward Goodrich Acheson、1856~1931)によって人工ダイヤの研究開発中に発見されました。鉄のボウルに粘土と炭素の混合物を入れてカーボンアーク光で加熱すると、炭素電極に光沢のある六角形の結晶(シリコンカーバイド)が付着したのです。シリコンカーバイドはダイヤモンドに次ぐ硬さで、現在では最も広く利用されている研磨材の一つです。
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