世界のアンチモン(生産量の推移)
<2011/07/07更新>
世界のアンチモンについて、USGS(米地質調査所)発表の資料をもとに表とグラフにまとめました。アンチモン(元素記号:Sb)は銀白色で、硬くて脆(もろ)い金属です。アンチモンの存在量は地殻の1000万分の2~5と推定され、レアメタルの一つとされてます。天然では硫化したアンチモンが発見されていて、その中でも輝安鉱(Sb2S3)がアンチモンの主要な鉱石鉱物です。アンチモンはバッテリー電極や半田、合金などの材料に使用されます。また、三酸化アンチモン(Sb2O3)はアンチモン化合物の中で最も重要で、難燃剤や顔料、触媒などに使用されます。
■ 世界のアンチモン(国別生産量の推移)
(単位・・・トン) | 1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 埋蔵量 |
中国 | 75,000 | 100,000 | 120,000 | 120,000 | 950,000 |
ロシア | 7,000 | 5,000 | 3,000 | 3,000 | 350,000 |
南アフリカ | 4,500 | 5,000 | 5,000 | 3,000 | 21,000 |
ボリビア | 6,500 | 2,800 | 3,100 | 3,000 | 310,000 |
タジキスタン | 2,000 | 2,000 | 2,000 | 50,000 | |
キルギスタン | 2,500 | 200 | |||
メキシコ | 1,500 | ||||
グアテマラ | 1,000 | ||||
その他 | 6,000 | 3,000 | 3,300 | 4,000 | 150,000 |
合計(四捨五入) | 103,000 | 118,000 | 137,000 | 135,000 | 1,800,000 |
(出典) USGS「Mineral Commodity Summaries(鉱物商品概要)」
●鹿児島湾奥部海底に有望なレアメタル鉱床を確認(岡山大、2011年4月19日発表)
本学と九州大学などの研究グループは、鹿児島湾奥部海底で2007 年に発見した熱水噴出孔の海底下に、レアメタルの一つアンチモン(Sb)を主成分とし、金を含む有望な鉱床が存在することを確認した。アンチモンは輝安鉱として含まれ、その鉱体の埋蔵量は1500万トン程度、品位6%Sb(アンチモンとして90 万トン)と推定される。この量は、国内で1 年間に消費されるアンチモンの180 倍に達する。同様の海底資源は我が国近海にまだ多く眠っていると考えられ、レアメタルの自給への道が将来開けるものと期待される。
資料(PDF) 添付資料(PDF)
今回見つかった鉱床は比較的浅い水域で採掘可能ですが、海洋汚染による漁業被害が起きないような工夫が必要とのことです。昨年から中国のレアメタル輸出規制が問題になっていますが、今後はどうなるでしょうか。
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